新しい世界に旅立っていく君たちに、SuperTは心よりの哀悼の意を表する。
可愛そうに君たちの多くは、新成人としての十分な力をつけてもらえることなく20歳を迎えてしまった。
それは君たちの罪ではない。
今日のニュースはどれを見ても君たちの仲間の無作法を嘆くものばかりだ。
式典に似つかわしくない服装だとかいつまでもやまない私語だとか、鳴り続ける携帯だとか……
だがそれは君たちの罪ではない。
君たちは育てられたようにしか育たなかったし、教えられたとおりにしか学ばなかった。
何よりも大切なのは自由であって、何人もそれをさえぎることはできないと、君たちは教えられてこなかったか。
人の話を聞かないのは君たちの罪ではなく、楽しい話をしない相手のせいだと教えられては来なかったか。
大人は常に君たちを型にはめようとする、だからそれに従ってはいけないと言われて来なかったか。
学校で生徒が主役であるように、成人式では君たちこそ主役なのだ。
そうである君たちが、さまざま制約を受けていいはずはない。
ステージにはマイクがありいくらでも声を大きくできるのに、こちらの小声の会話をさえぎるのはあまりに不公平だ。
せっかくかかってきた電話に出るなというのは、「人にいやな思いをさせてはいけない」という原則に違反しないか。
妙な服装にしたって、卒業式に「着ぐるみ」で出席した時は「個性的だ」と新聞でも誉めてくれたじゃないか。
その通りだ。君たちは教えられた通り生きている。
おいしい話をチラつかせた後ですべてを奪うのはサギだ。
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やっと気づいたね。そうだ、サギだ。
しかしだまされた君たちに罪があるわけではない。