京都市もまた、教員の働き方改革に真剣に取り組み始めた。ただし仕事を増やすことも忘れていないらしい。

 教員の働き方改革京都市もまた真剣に取り組み、
 夜は7時に電話を切り、教師の意識改革も強く訴えている。
 ただし同時に、京都市は授業日数を増やし、
 小学1年からの英語活動や小学4年からの長期宿泊学習など、
 独自のカリキュラムにも熱心に取り組ませている。
 アクセルをガンガン踏みながら、ブレーキを強く踏む矛盾。
 しかしそこはとにかく、教師の“自覚”で乗り越えてもらうしかない。
という話。

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記事

教員「ブラック職場」改革進まず 保護者対応や授業準備…新たな負担も
(2020.01.27 京都新聞)

 

 午後7時、教員が職員室の電話のボタンを押すと、自動音声の対応に切り替わった。「本日の対応は終了しました」。京都市右京区の西院小。職員室にはまだ約20人の教職員が残り、翌日の授業の準備などにあたっていた。

 先進国でも突出する日本の教員の長時間労働が問題となっている。京都市もここ数年で学校現場の働き方改革を進めてきたが、文部科学省が目標に掲げる「残業は月45時間以内」の達成はまだ遠い。市教育委員会は出勤・退勤時間を記録するシステムを2019年度から導入。昨年1月からは、市内の小学校で夜間の電話応対が長時間勤務の一因として原則午後7時で終えることを決めた。

 さらに西院小では独自に時間割や行事、部活の見直しを進めているが、國重初美校長は「午後9時ごろまで多く残っていた数年前に比べると早く帰るようになったが、残業を月45時間以内にするのはまだ厳しい。もっと教員の意識改革を進めたい」としつつ、「専科教員の配置などがもっとあれば…」とも話す。

 教職員が多忙な理由はさまざまだ。授業の準備、児童への指導、保護者への対応…。さらに4月からは新学習指導要領の導入で外国語が小学校高学年で教科化されるなどし、3年生以上で授業時数が年35こま増加する。プログラミング教育実施の準備にも追われる。

 そこに市教委独自の施策も多忙化に拍車をかける。市教委は年間授業日数を06年度から従来より7日増やして「205日以上」にしており、全国平均よりも2日ほど多い。
 市教委は「行事や学級閉鎖などを見込んで余裕を持たせている」とするが、教員からは「行事の精選をもっと進めるべき」との声が漏れる。小学1年からの英語活動や小学4年からの長期宿泊学習など、市教委が力を注ぐ取り組みも一方では教員に重くのし掛かる。

 負担を軽減するために市教委は、教員の業務を支える「校務支援員」や「スクールサポーター」「総合育成支援員」などを増員してきたが、支援が必要な子どもの増加などに追い付いていないのが現状だ。
 19年度の市一般会計予算に占める教委所管分は、13・7%にあたる約1093億円。近年は観光振興予算が増える中、教育費は伸びていない。市教委の幹部からは「観光PRにお金を使うなら教育に回してほしい」とのぼやきも聞かれる。

 20年度の教職員採用では、志願者数が10年度採用と比べ約15%減の1798人だった。「ブラック職場」との批判が高まる学校現場へ、就職をためらう学生も増えつつある。教員の負担軽減と教育の質の保障をどう両立するか。ある現職の市立学校教員は「教育費は未来への投資。手厚くすべきだ」と指摘し、市長選の各候補者の主張を注視している。

 

 人は立場で話さなければならないこともあるので、必ずしも本音ではないと思うが、

 もっと教員の意識改革を進めたい

――本校の教員に自覚がないばかりに勤務時間を減らせないと言わんばかりの校長のセリフ。部下に私のようなひねくれ者がいないよう、心から願う。

 もっとも意識改革以外に何の打つ手もない校長の立場も、今の私ならまったく理解できないわけでもない。

  • 3年生以上で授業時数が年35こま増加する。
  • プログラミング教育実施の準備にも追われる。
  • そこに市教委独自の施策も多忙化に拍車をかける。
  • 市教委は年間授業日数を06年度から従来より7日増やして「205日以上」に
  • 小学1年からの英語活動や小学4年からの長期宿泊学習など、市教委が力を注ぐ取り組みも一方では教員に重くのし掛かる。

  これだけグイグイとアクセルを踏み込んでおきながら、他方で「残業は月45時間以内」と強力なブレーキをかける――これでクルマ(学校や教員)が傷まないわけがない。

  もちろん市も、
教員の業務を支える「校務支援員」や「スクールサポーター」「総合育成支援員」などを増員してきた
と言い訳するが、
近年は観光振興予算が増える中、教育費は伸びていない。
という状況では結局、学校の消耗費や備品・修繕費を減らしてそちらに回しているだけのことなのだろう。調べてはいないが「支援員」も「サポーター」も「焼け石にスズメの涙」程度のもののはずだ。

 教員の働き方改革によってさらに教師たちは擦り減っていく。
 しかもどうやら責任は「意識改革の進まない教員自身」にあるらしいのだ。