(写真:フォトAC)
記事
ひろゆき氏、小学校での“あなたの感想ですよね”禁止令にあきれ「禁止しても…」
(2024.10.11スポニチアネックス)
実業家・西村博之(ひろゆき)氏(47)が11日に自身のX(旧ツイッター)を更新し、小学校で出された“禁止令”に反応した。
制度アナリスト・宇佐美典也氏は「【悲報】娘の小学校で『それってあなたの感想ですよね』禁止になる」とポスト。
ひろゆき氏でお馴染みのフレーズであり、(中略)ひろゆき氏は「『電子レンジに猫を入れてはいけない』と説明書に書くような話。『人の話は最後まで聞きましょう』とか、本来の趣旨を伝えるべきで、文言を禁止しても言い換えるだけで、趣旨を学べないと思うけどなぁ。。」とコメントしていた。
評
【事のはじまり】
事のはじまりは宇佐美典也という制度アナリスト(コレ何ダ?)が10月10日のX(旧ツイッター)に書き込んだ次の一文だった。
【悲報】
娘の小学校で
「それってあなたの感想ですよね」
禁止になる
これに対してSNS上にはさまざまなコメントが寄せられ、スポニチの記事では「子どもたちが言い過ぎて先生イライラしてたんやろなぁ」とか「安易に使いすぎるからでしょうね」とか「建設的な話しに繋がらないのでしゃーない」といった学校寄りのコメントを拾い上げていたが、やがてひろゆき氏本人もコメントを寄せ、禁止という短絡的な方法を取っただけで本来の趣旨を伝えないと、学校の学ぶ機会を奪うようなやり方に疑問を呈したという話である。
【どこまで本気の話だったのか】
実は宇佐美氏のポストのコメント欄には、何も学校寄りの発言ばかりがあったわけではなく、ひろゆき氏に近い、あるいはそれ以上の学校批判がかなり書かれていた。
「『えっ、感想いったらダメなんですか?』『法律で禁止されてるんですか?』で十分対抗可能なのに」
とか、
「先生ならそれぐらい言い返しとけよ」
とか、反論できない教師の無能を嘲笑う(もしくは嘆く)意見や、
「禁止するのもまた何か違う気も」
「言葉狩りですね」
「なぜ禁止なのかの説明はなんで言っているのですか?理由が知りたいです」
といった丁寧な説明をしないことへの批判、
「言論検閲?」
「表現を禁止すると学力が下がりそうだな」
などとにかく自由を阻害されることに苛立つ立場など、さまざまな考えがあったのだ。
だが、私はとりあえずスポニチがこの記事を書くことで何を果たそうとしたのか知りたい。学校を援護するつもりなのか批判するつもりなのか、いずれにしても中途半端だ。紙面が埋まらなかったから取り上げた、その程度の話だったのか?
また、発端となった制度アナリスト・宇佐美典也氏がこの「悲報!」に際してどういう態度を取ったのかも知りたい。「悲報!」というからには軽い気持ちで書いたものでもないだろう。
「学校にどう確認したのか」
「校則にしたのか口頭なのか、学校方針なのか単なる担任の呟きなのか等々、禁止のレベル、実体はどうだったのか」
「学校はどう説明したのか」
「宇佐美氏はどう抗議したのか」
聞きたいことは山ほどある。私のような市井の無名人ではないのだ。綸言汗のごとし。一定の影響力のある人間として、ただ「呟いてみました」では済まないはずだ。
【「あなたの感想ですね」小史】
「それってあなたの感想ですよね」はだいぶ以前から耳に入っていて不愉快な印象を持っていたが、なぜか意識の中心に入ってくることはなく、それが西村博之氏の言葉だということも知らなかった。
だが、調べてみるとベネッセが発表した2022年の小学生流行語ランキングで第一位になるほど流行った言葉で*1、学校や家庭でずいぶん物議をかもした話だったようだ。
昨年(2023年)9月6日、テレ朝ニュースにも「『はい論破!』『それってあなたの感想ですよね』“マウント小学生”増加 親は困惑」*2という見出しで取り上げられていて、こんな言葉の使用法が示されていた。
母:「宿題もっと早くからやっておけば、良かったんじゃない」
息子:「それってあなたの感想ですよね」
母:「帰宅が遅くなるなら、ちゃんと連絡して!」
息子:じゃあ、ママが遅くなる時に何時に帰るとか、どこにいるとか、細かく連絡してきているの?」
母:「・・・」
息子:「はい論破!」
たしかにこの扱いをされて平静でいられる大人は少ないかもしれない。しかし昔から子どもはそんなものだった。ひとのことや後先を考えず、流行っている言葉や歌や仕草を公共の場で使って叱られ続けてきたのである。叱られることで、世の中のものごとには口にしていいことといけないこと、許される場とそうでない場があることを覚えて来た。
習慣の問題だから一を聞いて十を知り、十を知ったらすぐに実践できるというわけにはいかない。車の運転は身体で覚えるように、たくさん実践して身につけるしかなかった。それが世間知であり道徳であり対人スキルである。
大昔、登校のバスの中で「オラは死んじまったダァ~、酔っぱらい運転で~」と大合唱をして運転手から降ろされた小学生がいたし、生徒指導の場で「なぜそんなことをしたんだ」問われて「カラスの勝手でしょ」と答え、大目玉を食らった子がいたり、指示をしっかり聞いていなくて叱られたのにその瞬間、思わず「聞いてねぇーよ!」と言って逆に「聞いてねェことを自慢すんじゃねーよ」とすごまれたり――そんあ話はいくらでもある。
「それってあなたの感想ですよね」
もその範疇の話だ。
教育や子育ての世界には、いちいち丁寧に取り上げてじっくりと取り組まなくてはならない問題と、軽く扱って済ませるべき問題のふたつがある。
「それってあなたの感想ですよね」
は後者で、この程度の問題を校則にしていたら「学校のきまり」はあっという間に昔の電話帳みたいに分厚くなってしまうし、この程度のことで学級会を開いていたら授業はまったく進まない。クラス全体を自習にして個人指導などしていたら、教科の時間はあっという間に2~3割吹っ飛んでしまう。
これは「足を組んで食事をしてはいけません」とか「結婚披露宴に白いドレスで行ってはいけません」と同じ程度に「そんな当たり前だろう! フザケンナ!」の話であって、
「ハイ、その言い方、ウチのクラスでは禁止。言ったら怒ります」
で済まされる話である。
それを「悲報!」と受け取るアホな保護者がいてSNSで取り上げ、さらに今度は日本テレビまでが取り上げる――教師はそういったことが予想できなくてもかまわない。教育の専門家であってもメディアの専門家ではないからだ。放置案件でいいと思う。
【乳幼児の親を卒業したら、小学生の親になる勉強をする】
ただし、親たちはもう少し勉強しておく必要もあるかもしれない。
小学生の親になるということは乳幼児の親を卒業して新たな局面に入るということだ。子が生まれたときにミルクのあげ方やオムツの替え方、むずかる子のあやし方や寝かせ方を勉強したように、子が小学生になったら小学生の親になる勉強をして対応のしかた、正しい反応の仕方を学んでいかなくてはならない。「ああ言えばこう言う辞典」でも読んで、前もって返す言葉を用意しておけばいいのだ。
「じゃあ、ママが遅くなる時に何時に帰るとか・・・」
といった「質問返し」は不良息子の常套手段だから、返された瞬間に即、原点に還って宣言すべきだ。
「その前に私の言ったことにまず返事をしなさい。遅くなる時は連絡してくれるの、しないの? する気がないなら一定時間の過ぎた夕飯は必ず廃棄するから。絶対に出さないから。夕飯は自分の小遣いで賄いなさい。
続けて優しく、
その代わりママが遅くなったのに連絡しなかったらそれ以後は夕飯を用意しなくていいからね。作った夕飯は捨ててかまわない。ママも自分のお金で何とかする。ただしそれまではこれから毎日、ママと一緒に夕飯をつくるってことだからね。これで対等。一緒にがんばりましょう? もっともママは絶対に連絡を忘れないから、そんなことはありないから、覚悟しなさい」
と、そんなふうに言っておけばいい。優しく、あくまでも優しくだ。
「それってあなたの感想ですよね」も同様で、「対小学生想定問答集」にいくら出てきそうなセリフだから回答も準備しておく必要がある。
子ども:「それってあなたの感想ですよね」
親:
「感想じゃない。真理だ」
「宿題を遅くやった方がいいという理由を30秒以内に三つ以上あげろ」
「つべこべ言わず宿題を仕上げろ」
「親に向かってその言い草はなんだ!」
「ひと真似すんな」
「まず神様に謝りなさい」
・・・。
頭の中に浮かんだ言葉のかなから、自分に一番合っているもの、長続きしそうなものを使えばいい。
私はこの程度のことを、SNS上にしろ何にしろ、真っ当な人間が真面目に扱うのはいかがかと思う。ましてやマスメディアが拾うとは何事か! 恥を知りなさい。私の言うことが分かるだろう。これで完璧だ、
ハイ論破!(もちろん冗談だ)