(写真:フォトAC)
記事
相次ぐ公務員の不祥事…小学校校長と教諭を懲戒免職、いずれも盗撮の疑い 富山県教委
(2024.11.09 チューリップテレビ)
富山県教育委員会は盗撮行為を行った校長と教諭の2人を11月27日付けで懲戒免職処分にしました。県内の校長の免職処分は過去10年間でこの1件のみです。
「信頼を損ないましたことは誠に残念であり、深くお詫びを申し上げます」
11月27日付けで懲戒免職となったのは、富山市立東部小学校の◯◯◯◯校長(58)、富山市内の小学校の△△△△教諭(61)です。
東部小学校の◯◯校長は11月3日、金沢市内の飲食店で20代女性の後ろに立ち、靴の中に隠した小型カメラでワンピースの中を盗撮しようとした疑いで逮捕され、現在自宅謹慎となっています。
(中略)
△△教諭は2022年と2024年9月、小学校で女子児童のスカートの中の下着を盗撮した罪で起訴されていて、現在裁判が続いています。
判決はまだ出ていませんが、県教委の聞き取りに対し本人が盗撮行為を認めたことや児童生徒への盗撮行為は一律で免職処分とする基準に従い、判断したということです。
(以下略。原文は氏名が公表されている)
評
【信じがたいが、よくある、理解不能な、犯罪】
まったくその通りである。
「信じがたい」というのはこれだけ広報され、処分され、
「教員のわいせつ事件は新聞に名前が出るぞ、懲戒免職だぞ、退職金がなくなり年金も減るぞ、家族が崩壊するぞ、親戚や友人から放逐されるぞ、それが掟だ」
と周知され尽くしているにも関わらず、なぜ教員のわいせつ犯罪はなくならないのかということだ。逆に言えば、それを重々承知の上で行う犯罪だから、処分を重くしても、何度研修を繰り返しても、おそらく発生件数にほとんど影響がない、だから二重に信じがたい。
「理解不能」というのは58歳の校長にとって20代の女性は自分の娘より若く、61歳の教員にとって小学生の女の子は孫の年頃だ。そんな女性や子どものパンツに、どんな魅力があるというのか。百歩譲って「許されないものとはいえ、それも性的少数者であって存在そのものは了解しなくてはならない」として、しかしそんな画像・動画ならネット上にいくらでもあるだろう、下品な言い方をすれば、自分で撮影したところで結局は直接見るのではなく、モニターを通して見ることになる。だったら他人が撮影したものでも自分が撮ったものでも同じではないか――と私は思う。いや、それも性向として受け入れるべきことなのだろう。彼らにとっては“自分で撮った”というところに価値があるのかもしれない。
しかし、そうだとしたら次の問いはどうだ? これが私の最大の疑問、理解不能な点なのだが、この二人は、
「なぜ、いまごろになって、捕まったのだ?」
【なぜ、いまごろ捕まるのか】
人間として生まれて60年余り、大人になってから数えても40年前後、その間のいつ、彼らは自分自身の性向に目覚め、盗撮あるいはノゾキを始めたのか。そして今日まで何年間、何回に渡って盗撮をして来たのか? 切なる願いだ、教えてくれ。
40年余りの間、常に一定回数――例えば年に十数回とか月に数回とか盗撮を続けながら今日まで一度も捕まらなかったとしたら、日本の治安とか危機管理とか安全意識は、まるっきりザルみたいなものだ。私の妻や娘だって(若いころは)何百回も盗撮されていたに違いない。二人とも気づいたことがないだけで。
ただし私自身も妻たちも、スカートの中を撮影している輩に遭ったことがない。遭えば必ず訴えている。そうであるならむしろ60歳前後になった今、初めて盗撮を行うようになって、数回もしくは数年のうちに逮捕されてしまった(ほとんど素人なので)、そう考える方が分かり易い。
もちろんそれで謎が解けたわけではなく、ひとつの謎から別の謎に移行しただけだ。それは、
「なぜ、いまごろになって、それまでほとんどしてこなかった盗撮をするようになったのか」
というなぞである。
【男性教師たちの生活はどうなっているのか】
昔は警視庁が「職業別犯罪統計」というのを出しており、生の統計表で何かと便利だったのだが、今はやめてしまっている。代わりにもっと整理した形で示しているWebページに「職業別犯罪率ワーストランキング 土建、無職、飲食の首位争い グラフつき」というのがあって、今はそちらを参考にしているのだが、見て面白いのは、凶悪犯や粗暴犯など犯罪の種類別に、「土建業」「無職」「飲食業」など17種類の職業別グループをランキングすると、「教員」はほとんどの犯罪において15位以下なのに、風俗犯(賭博・わいせつ)で11位、凶悪犯の「強制性交等」と風俗犯の「わいせつ」を合算した「性犯罪関連」では9位という、不名誉な順位になるのだ(それでも数としては平均以下で、全体の中央値もずっと高いところにある)。
「ほかの業種に比べて教員のわいせつ犯は異常に多い」わけではないが、教員が「犯罪から非常に遠いところにあるにも関わらず、わいせつ犯罪だけが普通レベルに近い」のは事実だ。なぜそうなるのかの研究はない。
さらに言えば印象として、わいせつ犯罪で逮捕される教師は若手よりもむしろベテランが多い。これまではもともと若年層よりベテランの方が母集団としての人数が多いという事情もあったが、それにしても教員となって年月の長い、人望ある教員が突然逮捕されるという事例が多すぎるように思う。もしかしたら本当に若いころはまったく興味のなかった性犯罪に、50歳を過ぎたあたりで突然、目覚めたのかもしれない。
誰も口にしないが、私は夫婦のあり方に疑念を持っている。独身の教師について言えばどういったアフターファイブを過ごしているのか、教員以外の同年齢との違いを中心に調べ直してみる必要があると思う。わいせつ事件の実行者はほとんどが男だから、男性教師の日常生活がどのくらい健全なものか、確認してみることは絶対に必要だ。
いずれにしろ厳罰化と研修だけでは止められないところまで来ている。何が教師をそうさせているのか、きちんとした科学研究の俎上に載せてもらいたいものだ。
【もうひとつの要因】
水谷豊・伊藤蘭夫妻の娘の趣里が主演するテレビドラマ「モンスター」が、ドラマ部門で視聴率ランキング1位を獲得したとかで、急いでTverで第一回を見た。すると中で主人公の弁護士(趣里)が、実質的な犯人である心理カウンセラーに、こんなことを言っていた。しかも2回も。
「過重労働やパワハラを受けるうちに判断能力を失い、会社を辞めるという選択肢を思いつかなくなってしまう。そうやって視野の狭い、細くて深い暗闇にはまり込んでしまったら、かける言葉によっては、クライアントは壊れてしまう(そう言っていましたよね?)」
盗撮で逮捕された校長は靴に仕込んだ小型カメラで撮影をしていたという。10年も前のニュースに盗撮用の靴をネット販売して逮捕された男女の話があったから、もしかしたら今でも購入できるのかもしれない。しかし盗撮にしか使えない靴を販売する人物に、住所や氏名を知られるのも危険だ。そうなると自作するしかないのだが――60歳を過ぎた社会的に地位もある男が、夜な夜な時間をかけて盗撮靴をつくり、出来上がるとそれを履いて街に出ていく。
そのイメージに、正常ではないものを感じるのは私だけではないだろう。