キース・アウト

マスメディアはこう語った

日本の学校の「特別活動」をたたえる映画を、JBpressも取り上げているよ。『日本の小学校の「当り前」が海外から見れば「すごいこと」』だってさ。(他、2本)

(写真:フォトAC)

記事

 

世界が驚いた日本の公立小学校、私たちは外国人から称賛される社会性をこうして身に着けてきた
時間に正確で、団体行動ができて、礼儀正しい…日本人の特性を身に着けたのは小学校
(2024.12.11 JBpress)

jbpress.ismedia.jp


 コロナ禍に巻き起こった9月入学論争。桜の咲く4月の入学式は日本の風物詩の一つだが、欧米では9月入学が主流。日本の教育はかなり独特のよう。世田谷区の小学生に密着したドキュメンタリー『小学校?それは小さな社会?』が海外の映画祭で注目を集めている。
 手がけたのは英国人の父と日本人の母を持つ山崎エマ監督。大阪の公立小学校を卒業後、インターナショナル・スクールへ。規則だらけの日本社会に息苦しさを感じ、アメリカの大学へと進み、ニューヨークで暮らす。ところが、特別なことは何もしていないのに「よく働くね」「時間に遅れず責任感あるね」「チームへの貢献が素晴らしいね」と褒められ、「日本人だからでしょう」と思ったそう。

 言われてみれば、私たちにも思い当たる節がたくさん、あるはず。先日、取材したフランスの俳優は「日本の皆さんは本当に礼儀正しい。フランス人ってやりたい放題。日本の方が見たら、驚かれるかも」と敬服していた。
 確かにパリの空港では着いた途端、入国審査のために人々が押し合いへし合い。誰一人、列を作ろうとしない。日本ではまず見ない光景だ。サッカーのサポーターや大谷翔平選手がゴミを拾って、称賛されるのも日本人らしいエピソードと言えるだろう。
(以下、略)

 先週(2024.12.09)このブログで扱った産経新聞*1と同じ内容の記事。「特別活動」を特別に重視する私の考えと一致するので、嬉しくてまた取り上げる。記事を読むには無料の会員登録をする必要があるが、問題はないのでしておくといい。幅広く知識を身に着けるには良いサイトだ。

 

 もっともこんなふうにメディアが学校を持ち上げると、そこには裏があるような気もしてくる。例えば次の段階で始める、
「教員の働き方改革も大事だが、日本の学校の珠玉の『特別活動』を破壊して、何の教育か」
といった学校批判、教師批判の可能性だ。

 

 確かに私も同じようなことは言っているが、ただ特別活動を減らすなと言っているわけではない。前提として、

 

  1. 平成以降に付け加えられたものは基本的に取りされ。具体的には、
    「総合的な学習の時間」「特別の教科『道徳』(普通の道徳に)」「小学校英語」「プログラミング学習」「キャリア教育(職場実習やキャリアパスポート)」「ICT教育」「環境教育」「薬物乱用防止教育」「全国学力学習状況調査(その結果起こる学校間・地域間競争)」「教員評価・学校評価」「学校評議会」「地域連携」等々。
    不登校対策」「いじめ対策」「教員不祥事対応」には専門の担当者を配置せよ。

  2.  予算をケチることなく、教員を増やせ。できれば各クラスにひとり、最低ででも2クラスに1人以上の副担任を配置する。これは必ず元の取れる先行投資だ。

 

と言っているのだ。政府に予算がなければ、とりあえずタダで始められる前半(1番目)の内容だけでも。そうでなければ学校がもたない。
以上。

*1:

kieth-out.hatenablog.jp

 

-------------------------------------

 

 ついでに、今週気になった別の記事を2本紹介しておく。

【世界の給食事情】

 ひとつは、With class12月9日の、
嫌いな食事は残しても良い?!日米の給食比較で改めて気づいた日本の「食育」のすごさとは?

withonline.jp

 日本の給食がいかにすばらしいかをアメリカの給食との比較で描いたものだが、結局は、
『子どもの健康のためにも、これからの人との付き合いでも、「好き嫌いなくなんでも食べられる」「残さず綺麗に食べる」ってすごく大事なことだと思います。
 ただ、そこにこだわりすぎて子どもにとって食事の時間が苦痛になったり、親の方がストレスに感じるくらいなら、もう少しアメリカのように自分で量や食べるものなどを決められるような”いい塩梅のゆるさ”があるといいのかなと思います』
とだれも反対できないところに結論を持って行くのはいかがなものか。
「何をどれくらい、誰と、どこで食べてもいいアメリカの給食と、好き嫌いなく何でも食べて、残さずきれいな日本の給食、両立できるといいですね」
 私はそれができる国を知っている。ネバーランドだ。

OECD成人力調査】

 もう一本は12月10日の朝日新聞の、
「成人力」日本は世界1~2位、OECD 16万人参加の国際調査

www.asahi.com

 久しぶりにフィンランドの名を聞いた。成人の学力(読解力・数学的思考力・状況の変化に応じた問題解決能力)の三部門ですべて1位に輝いたのだ。

 

 しかし一般に注目される子どもの学力調査でフィンランドは、読解力14位、数学的リテラシー20位、科学的リテラシー9位なのである(PISA2022)。注目された19年前のPISA2003ではそれぞれ1位・2位・1位だったのに。
 今回、大人部門で三冠に輝いたのは、もしかしたら19年前に世界一だった子どもたちが成人したからかもしれない。

 

 ちなみにPISA2022における日本の子どもの成績は読解力2位、数学的リテラシー1位、科学的リテラシー1位。今回の国際成人力調査(PIAAC)における日本の成績は読解力2位、数学的思考力2位、状況の変化に応じた問題解決能力1位(フィンランド同率)。
 20年前にフィンランドの真似をしなくて良かった(実は真似できなかったのだけれど)。


 フィンランドの教育の凋落については、次のサイトが面白かった。

【フィンランドの教育制度】学力が世界一の理由は?日本の学校との違いや特徴、問題点を徹底解説

www.yutoritenshoku.com

 

 そのフィンランドドキュメンタリー映画『小学校~それは小さな社会~』との関係で面白かったのが次の記事。

「格好いい!」「カルチャーショック…」フィンランドの高校生が、日本の公立小学校に感動した理由 - All About ニュース

news.allabout.co.jp 一読を勧める。