定員に対する教員志望の全国一少ない佐賀県が、いよいよ受験生の落穂ひろいを始めたらしい。

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小学校教員の秋採用、佐賀県で実施へ 全国最低の競争倍率に危機感
朝日新聞2022.03.09)

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 佐賀県教育委員会は新年度から、小学校の教員採用試験を従来の夏に加え、秋にも実施するという全国でも珍しい取り組みを始める。受験者数が減って競争倍率の低下が進むなか、人材を確保するための工夫だ。県教委は「全国的にも珍しい」と話す。

 文部科学省によると、ここ15年の県の小学校教員採用試験の倍率は、2010年度の8・1倍をピークに下がり続けている。21年度採用は前年度と同じ1・4倍だったが、全国の都道府県で最低だった。

 県教委は、教員が多く必要な特別支援学級の増加や、団塊の世代の大量退職を補うために採用数を増やした一方で、受験者数が減ったことが要因とみている。これまでは、受験年齢制限と実技試験の撤廃などで人材確保に努めてきたが、依然低下傾向にあり、危機感を抱いているという。

 そこで秋採用に踏み切った。従来の夏採用は5月から募集し、7月に1次試験(主に筆記)、8月に2次試験(主に面接)、9月に合格発表だった。秋採用を採り入れると9月下旬から募集、11月中旬に筆記と面接をまとめて行い、12月に合格発表という流れが加わる。


 競争率が下がった理由として特別支援学級の増加はいいにしても、今さら団塊の世代の大量退職を補うためにはないだろう。団塊の世代は1947年~1949年生まれだから、現在75歳~73歳。佐賀県はこれまで、こんな人たちまで正規職員として留め置いたのか?
 要因の分析は間違っていると思うが、採用数が減らない中で志願者が十分増えない、あるいは減っているという状況には違いはないだろう。しかしそれにしても夏・秋2回の採用試験とは!
 他県で落ちた受験生を再度拾い上げようということだろう。佐賀県の1・4倍の夏試験で合格した受験生よりも、2倍以上の競争率の都道府県で落ちた受験生の方が優秀ということもある。それはそれで筋の通った苦肉の策だ。

 

 苦肉とは本来自分の肉体を痛めつけること、苦肉の策とは、本来、人間というものは自分を傷つけることはないという思い込みを利用して敵を騙す計略のことを言う。兵法三十六計の第三十四計にあたる戦術だという。
“ここまで来たら恥も外聞もない、とにかく教員を集めるしかない”という佐賀県の立場も分かるが、どう見ても本質的な問題解決とは言えない。もちろん佐賀県は先陣を切っただけのことで、全国どこで起こっても不思議のない話ではあるが――。