昨年度、全国で2500人もの教員不足が発生したというが、それにも関わらず文科省は”深刻な事態には至っていない”と強弁する。無理もない。打つ手がない以上、しらばっくれるしか方法がないのだ。

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(写真:フォトAC)

 

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全国で教員不足2558人 文科省初調査

(2022.01.31産経新聞

www.iza.ne.jp  文部科学省は31日、教員不足の実態に関する初めての全国調査結果を公表した。文科省によると、全国の公立小中高校・特別支援学校が今年度当初に配置された教員数は、各教育委員会が予定していた教員数に比べて2558人不足していた。全体の5・8%の1897校が該当する。教員の職場環境の厳しい実態が判明した。

 

 文科省は教員不足について、全国の公立学校で配置されている教員数が、臨時教員などが確保できなかったために各地の教委が配置を予定していた数に届かなかったケースと定義。調査は全都道府県・政令指定都市などの教委からの報告をもとに取りまとめた。

 

 全国の公立小中高校・特別支援学校には約83万人の教員が配置されている。不足の内訳は小学校1218人、中学校868人、高校217人、特別支援学校255人。文科省は年度当初から約1カ月経過した昨年5月1日時点も調査し、不足は4・8%に当たる1591校で計2065人とやや改善していた。

 

 各学校とも不足に対しては、少人数指導やチームティーチングのために確保していた教員を配置したほか、教頭などの管理職が担任を兼務することなどで対処。文科省では教員不足によって「授業が停滞するといった深刻な事態は把握していない」としている。

また文科省は31日、都道府県教育委員会などが令和2年度に実施した教員採用試験の競争率も公表。小学校の全国平均が2・6倍と前年度比0・1ポイント減で過去最低だったことが判明した。中学校の競争率は同0・7ポイント減の4・4倍、高校は同0・5ポイント増の6・6倍だった。

 

 単純に計算すると、令和2年度に実施した教員採用試験の競争率で小学校の全国平均が2・6倍なら、落ちた1・6倍分が教職浪人として残っていてくれたら、教員不足など起こらないはずだ。しかしそのなかには「冷やかし受験」もいれば「やってみただけ受験」もある。さらにはすでに講師として働きながら再び正規採用に至らなかった人もいる。この人たちは新たな講師要請には応えられない。
 そしてそれらを差っ引いた残りが一応の「講師候補」なのだが、この層の大半が別の仕事に従事しており、事実上は払底してしまっているということなのだろう。もう一年頑張って採用を目指そうなどという、昔ならいくらでもいたが、今は少ない。

 

 資格を持つものの現在は仕事に就いていない看護師を“潜在看護師”というように、免許を持つのに仕事に就いていない元教員を “潜在教師”と呼ぶなら、この人たちを掘り起こせばいいようなものだが、結婚や出産によって職場を離れた教師たちは、今や更新制のために免許を失効してしまっている。
 もちろん取り戻すのは困難ではないが、今の状況でブラックな世界へ立ち戻ろうという人は多くない。私だってもう嫌だ。

 

 各学校とも不足に対しては、少人数指導やチームティーチングのために確保していた教員を配置したほか、教頭などの管理職が担任を兼務することなどで対処。文科省では教員不足によって「授業が停滞するといった深刻な事態は把握していない」としている。

 少人数指導やチームティーチングを解消し、あるいは管理職が担任を兼務して、なおかつ

「授業が停滞するといった深刻な事態は把握していない」
というのは、どういうことか?
 「支障はあるが深刻ではない(管理職が担任になっても、少人数指導などができなくなっても)」ということか、
 ただ単に「把握していない(怠っている、見て見ぬふりをしている)」ということなのだろうか?

 

 いずれにしろ、すでに手遅れの事態に対して、私としても語るべき言葉がない。

 だがそれにしても、産経新聞がなぜこんな重要なことを無批判に記事にできるのか――それは解せない。