キース・アウト

マスメディアはこう語った

小学校教師の盗撮事件に対応して、北海道は高校などの教職員がスマホ等を教室へ持ち込むことを禁止とした。しかし緊急時への対応はどうしたらいいのか――簡単な話じゃないか。生徒が持っているのだから、それを借りて連絡すればいいのだ。

(写真:フォトAC)

記事

 

 先生もダメ!【教師の児童・生徒盗撮問題】高校の教室など”スマホ持ち込み原則禁止”道教委が道立学校に通知…対象は『すべての教職員』私物端末での児童・生徒の撮影は場所問わず禁止〈北海道〉
 (2025.9.12 北海道ニュースUHB

www.uhb.jp


 北海道教育委員会は9月12日、全ての教職員が私用のタブレットスマートフォンなどの端末を教室などに持ち込むことを原則禁止する通知を道立学校に出しました。

 名古屋市などで小学校の教師が女子児童を盗撮し画像をSNSで共有していたとして逮捕・起訴された事件を受けた対応です。
 道教委によりますと、通知したのは道立の高校・特別支援学校・中等教育学校の全253校です。
  対象は校長・教頭・教師だけでなく、事務職員・実習助手寄宿舎指導員・公務補・調理員・介護員の他、臨時職員・時間講師・スクールカウンセラー・ALTなど学校に勤務するすべての教職員です。
(以下、略)

 

 昔、元総理大臣・菅直人氏が街頭演説で、
原子力なんてなくてもかまわないんです。電気なんかなくたって大丈夫。江戸時代の日本人は薪さえあれば、何とか生活できたんです」
と言ったとか言わなかったとか――。いくら菅氏でも日本人の人口を1億人近くも減らし、鉄道もコンピュータもない時代に戻せとは言わないだろう、という人もいれば、それでも菅氏なら言い出しかねないと思う人もいる。両方いる(私は後者)。しかし言ったか言わなかったかは別として、現在の日本を江戸時代に戻すことなどできないという点では、ほとんどの人が一致できるだろう。もう誰もテレビもスマホもコンピュータもない時代へは戻れないのだ。

 同様に、学校の教室から教師の個人スマホをなくすことも不可能に近い。それは授業用・緊急用としてすでに定着したものであって、後戻りすることはできないからだ。もちろん「教職員は出勤し次第、携帯電話を机の中にしまい、退勤まで持ち出さない」という文化の定着している学校あるいは自治体ならいいが、これから禁止してそのあとで事故があった場合、
「教委が禁止せず、先生がその場から自前の携帯電話で救急車を呼んでくれていたら、子どもはきっと助かったに違いない」
といった批判に耐えられないからだ。もちろん携帯電話のなかった昔は、事故があれば教師は職員室まで走るしかなかったが、その時代はスマホによる盗撮もなかった。時代は変わったのだから、保護者も時代にふさわしい対応を期待する。

 これを解決する方法はただひとつ。現在、個人持ちのコンピュータを学校に持ち込む教師はいないが、それは学校が教師の分も用意したからだ。同様に、特殊なスマートフォン(通話もネットもできるが記録はすべてサーバーに残り、撮影した写真や動画も自動的にサーバーに送られて教師はだれでも閲覧できるようになる)を貸与するようにすればいいだけのことである。しかしそれができないとしたら、教員による盗撮の可能性におびえながらも、スマホを使った緊急連絡で子どもが助かる道を残すしかない――それが私の結論である。
――と書きかけて、いやそんなことはない、まだほかにできることはある、と気づく。

 小学校の教師が女子児童を盗撮し画像をSNSで共有していたとして逮捕・起訴された事件に対応して、高校や中等教育学校で禁止するというのもピンと来ないが、とにかく全ての教職員が私用のタブレットスマートフォンなどの端末を教室などに持ち込むことを原則禁止する通知が出されたのは小中学校ではなく、道立の高校・特別支援学校・中等教育学校の全253校だけなのだ。市町村立の小中高校には通達を遠慮したということなのだろう。
 しかも持ち込み禁止の対象者はすべての教職員であって、児童生徒ではない。つまり子どもたちは教室にスマホを持ち込めるわけだ。
 文科省2020年の7月に「中学校でも一定の条件のもと、持込みを認めることが妥当」だという通達を出している。中学校でも持ち込みを認めることが妥当なのだから、いわんや高校・中等教育学校をや、である。

 教職員諸君、安心したまえ。教室やその他の活動現場で事故があり、救急車を要請したり職員室に助けを求めたりする必要があったら、生徒のスマホを借りればいいのだ。借りた携帯で自分は職員室に連絡し、別の生徒に指示して警察や消防署に電話を掛けさせる――そうすれば自分の携帯一台で対応する現在よりも、はるかに迅速な連絡ができるはずだ。

 今後は避難訓練も実際に則して行えばいい、
「おい! 相沢君!スマホ貸してくれ、ついでにツラを貸してくれ(顔認証のため)、職員室に連絡をするから。確認だけど、前に職員室の電話番号入れさせたよな。飯塚君、救急車の要請、上村君は警察、江藤君と小沢君は動画撮影、別角度で。なんでもいいからそれぞれナレーションを入れ続けることを忘れんようにな!」
 なにかすごく滑稽だが、これからの時代、それもやむを得ないだろう。

(参考)

kieth-out.hatenablog.jp

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